西洋絵画論 ローリーの少年時代_ジョン・ミレイ この絵はエリザベス朝の有名な探検家ウォルター・ローリーの少年時代を描いています。 ウォルター・ローリーは長身の美貌で女王エリザベス1世の寵臣ちょうしん(寵愛ちょうあいを受けている家来)に抜擢され、続々と恩賞を与えられていたそうです。 そして、自前の帆船「ローリー号」を新造して北米大陸の最初の入植を試みアメリカ・ノースカロライナ州ロアノーク島を、エリザベス1世に因ちなんで、バージニアと名づけたり、バージニア植民地からイギリスにタバコとジャガイモを最初に輸入しました。 しかし、エリザベス1世は亡くなり新たにスコットランド王ジェームズ6世がイングランド王ジェームズ1世に即位すると一転します。 ローリーは、ロンドン塔に13年間も幽閉され、その後、南米オリノコ川流域に黄金郷(エル・ドラド)を探索すべく派遣させられ、南米を入植地としていたスペインと戦うはめに、、 この戦いでローリーの息子ウォルターが銃弾に当たり死亡! さらに憤慨したスペイン人に告訴されてローリーは死刑となりました。 さあ、もう一度絵を見てみましょう。ミレイが描く絵画には必ずといっていいほど衣装や小道具などでその人物や出来事がわかるように表現されています。 まず男の話を聞いている2人の子供ですがローリー少年は豪華な縫い取りのある緑色の上衣とズボンそれと、鳥の羽根のついた帽子と、すでに探検家ウォルター・ローリーの格好になっています。 話をしている男の背後に船の錨いかりと2羽の鳥が描かれています。つまり、話をしている男は船乗りで彼が指している方向はアメリカ大陸なのでしょう。 ローリー少年の行先を指しているんですね。 そして砂地に置かれたおもちゃの船は「ローリー号」なのでしょう。 1860年作 の「ブラック・ブランズウィッカー」もそうですがこの作品は、本当の物語が始まる平和な一時を描いたのかもしれません。 スポンサーリンク ミレイ鑑賞作品一覧 西洋絵画論シャボン玉_ジョン・エヴァレット・ミレイ西洋絵画論ロンドン塔の王子たち_ジョン・ミレイ西洋絵画論ブラック・ブランズウィッカー_ジョン・ミレイ西洋絵画論過ぎ去りし夢-浅瀬のイサンブラス卿_ミレイ西洋絵画論ロレンツォとイザベラ_ジョン・ミレイ西洋絵画論花嫁の付き添い_ジョン・エヴァレット・ミレイ西洋絵画論両親の家のキリスト_ジョン・ミレイ西洋絵画論マリアナ_ジョン・エヴァレット・ミレイ西洋絵画論盲目の少女_ジョン・エバレット・ミレイ西洋絵画論オフィーリア_ジョン・エバレット・ミレイ西洋絵画論1746年の放免令_ジョン・エヴァレット・ミレイ西洋絵画論落葉(枯れ葉)_ジョン・エヴァレット・ミレイ 西洋絵画論ジョン・エヴァレット・ミレイジョン・エヴァレット・ミレイ (1829-1896) ラファエル前派を結成し、 宗教的題材または 文学性の濃い作品を 細密な手法で描いた イギリスの画家です。 主に ロイヤル・アカデミーで活躍し、 晩年には ロイヤル・アカデミーの会長も務めました。 1829年 イングランドのサザンプトンに生まれる... スポンサーリンク Facebook postはてブLINEPocketFeedly
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美術の旅 《糸巻きの聖母》レオナルド・ダ・ヴィンチ展!やはり神業 数日前まで知りませんでした。。。 レオナルド・ダ・ヴィンチ展がやっていたなんて! 知った瞬間! 絶対見に行くと思い。 なんとか時間を作り見に...