西洋絵画論 マリアナ_ジョン・エヴァレット・ミレイ ある女性が背伸びをしています。ただそれだけの絵しか見えません。 しかし、この絵は深い哀しみがあるのです。 1851年、イギリスのロイヤル・アカデミーで最初にこの作品が展示されたときにはアルフレッド・テニソンの詩「マリアナ」(1830年作)の一節がともに飾られてました。 その詩とは、 乙女はただ「わたしの人生は侘しいわ。あの方がいらっしゃらないから」と呟いた。 乙女は言う「私は寂しくて、疲れたわ。もういっそ死ねたらいいのに」と。 この詩は、シェイクスピアの「尺には尺を」を題材にイギリスの詩人アルフレッド・テニソンがつくったものです。 その内容は マリアナは船の難破によって持参金を失い、そのため婚約者だったアンジェロに捨てられてしまいます。マリアナは塀で囲まれた館で孤独な生活を送りますが、まだなおアンジェロへの想いを断ち切れず、嘆き続けます。 スポンサーリンク もう一度絵を見てみましょう 部屋の床には枯れ葉が散らばったままになっています。 そして、作業をしている刺繍は内職なのでしょうか。 もし、趣味で刺繍をしているのであればこんな疲れ切った背伸びなどしていないでしょう。 なんとなく生きていくための内職作業 ただ、ただ時間だけが過ぎていく マリアナは無表情です。 もはや、抜け殻のようで生きている感じがしません。 この絵を見ると、あらためて生きる意味を考えさせられますよね。 スポンサーリンク ミレイ鑑賞作品一覧 西洋絵画論ロレンツォとイザベラ_ジョン・ミレイ西洋絵画論花嫁の付き添い_ジョン・エヴァレット・ミレイ西洋絵画論両親の家のキリスト_ジョン・ミレイ西洋絵画論盲目の少女_ジョン・エバレット・ミレイ西洋絵画論オフィーリア_ジョン・エバレット・ミレイ西洋絵画論1746年の放免令_ジョン・エヴァレット・ミレイ西洋絵画論落葉(枯れ葉)_ジョン・エヴァレット・ミレイ西洋絵画論過ぎ去りし夢-浅瀬のイサンブラス卿_ミレイ西洋絵画論ブラック・ブランズウィッカー_ジョン・ミレイ西洋絵画論ロンドン塔の王子たち_ジョン・ミレイ西洋絵画論ローリーの少年時代_ジョン・ミレイ西洋絵画論シャボン玉_ジョン・エヴァレット・ミレイ 西洋絵画論ジョン・エヴァレット・ミレイジョン・エヴァレット・ミレイ (1829-1896) ラファエル前派を結成し、 宗教的題材または 文学性の濃い作品を 細密な手法で描いた イギリスの画家です。 主に ロイヤル・アカデミーで活躍し、 晩年には ロイヤル・アカデミーの会長も務めました。 1829年 イングランドのサザンプトンに生まれる... スポンサーリンク Facebook postはてブLINEPocketFeedly
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