ベルサイユのばら_ジャック・ドゥミ

キャッチコピー
オスカルが帰ってくる
軍服の下に
真紅の情熱をひめて

 

前々回の
「テニス・コートの誓い」

そして

前回の
「バスティーユ牢獄の破壊」

となると

もう、これを見るしかないですね。

そう

ベルサイユのばら』です。

ルイ15世末期から
アントワネット処刑までを描いていて
主人公のオスカル
バスティーユ牢獄ろうごく襲撃で亡くなるので
丁度いいタイミングですね。

去年(2022年)は
誕生50周年になり、
誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 -ベルばらは永遠に ...
ベルサイユのばら
が開催されたり

劇場アニメ化されたり


劇場アニメ「ベルサイユのばら」公式サイト
今だ人気がある名作ですね。

ただ、今回は
実写映画版の
『ベルサイユのばら』です。
日本とフランスの合作映画です。

日本では
資生堂や日テレ、東宝と
かなり本格的だし
ロケも実在のベルサイユ宮殿で撮影。

さらに驚いたことに
監督が
ジャック・ドウミ
音楽が
ミシェル・ルグラン

そう、
シェルブールの雨傘
「ロシュフォールの恋人たち」
作って
今までにないミュージカル映画の
新しい波(ヌーヴェルヴァーグ)を
起こした2人ですよ。

さらにジャック・ドゥミの妻で
ヌーヴェルヴァーグ監督の
アニエス・ヴァルダまで加わってますから
もの凄く期待しますね。

ということで
早速、見てみました。

スポンサーリンク

実写版はどうだったか?

物語は、
オスカルの誕生から始まります。
そして
ロココ絵画
ミシェル・ルグラン
劇的な音楽が流れて
いかにも貴族の映画が始まる感じです。

物語がはじまると
いきなり1767
年代が表示され、
完全な歴史映画になっていますね。

ベルサイユ宮殿で
マリー・アントワネット
登場するシーンで
歌が流れてきます。

ベルサイユのばらおっベルサイユのばら
いよいよ
ベルサイユのばらミュージカル
のシーンが始まる

と期待したのですが

ベルサイユのばら歌だけ。。。

 

この歌
たぶん
《マリー・アントヮネットのテーマ》
だと思うんですが
映画全体で
歌が流れるのは
この一曲だけ。。。

結局、
ミュージカルのシーンは
ベルサイユのばらありませんでした。

単なる歴史映画になっていた。

 

これ~
音楽ベルサイユのばら
ミシェル・ルグラン
じゃなくて
い~いんじゃね ベルサイユのばら

製作費だって
サウンドと映像の融合にこだわり続けていた
キティ・ミュージック・コーポレーションが
出して、サントラ盤も出したのに
劇中で印象に残る曲といえば
メインテーマ
《マリー・アントヮネットのテーマ》
だけじゃないか!

 

・・・かお・・・

 

 

でもね
この映画のサントラ盤を聞いたら
ポップ風にアレンジして
すんごくいい感じなんです。
ミシェル・ルグラン
本当は、これをやりたかったんだろうな~
ってバシバシ、音楽がうったえています。

そうなると
問題は、
監督である
ジャック・ドウミ

 

どうしちゃったんだよ
ベルサイユのばらおい!

ちなみに
ジャック・ドゥミの次回作
『都会の一部屋』では
テーマが気に入らなかった
ミシェル・ルグラン
オファーをこばんで
疎遠そえんになったとか。

やっぱり、
この『ベルサイユのばら』でも
ミシェル・ルグラン
ガッカリしたんだよ。

映画の内容も
庶民や貴族の内容が
メインで
主人公のオスカル
付属的なあつかい。

しかも
アンドレはいかにも
ヨーロッパ男子を全開にしているし
オスカルと衛兵隊の物語もない。

日本の制作側が
漫画(原作)を英文にして渡したそうだが
真面目に読んでなかったんじゃないのか、
なんせ、この当時は
漫画の地位が低かったからね。

どう見ても
この映画のテーマは
人間性の解放をめざす
啓蒙けいもう思想になっている。

まあ、
啓蒙けいもう思想が
フランス革命の思想そのものへと転化した
とも言われていますからね~。
ジャック・ドゥミ
それを描きたかったのかもしれませんね。

啓蒙けいもうについて
哲学者のカントはこう定義しています。

啓蒙けいもうとは何か。

それは人間が、
みずから招いた
未成年の状態から抜けでることだ。

未成年の状態とは、
他人の指示を仰がなければ
自分の理性を使うことが
出来ないということである。

人間が未成年の状態にあるのは、
理性がないからではなく、
他人の指示を仰がないと、
自分の理性を使う決意も
勇気ももてないからなのだ。

だから
人間はみずからの責任において、
未成年の状態に
とどまっていることになる。

こうして啓蒙けいもうの標語とでも
いうものがあるとすれば、
それは
「知る勇気をもて
 (サペーレ・アウデ」だ。

すなわち
「自分の理性を使う勇気をもて」
ということだ。

 カント/木田元訳『永遠平和のために/啓蒙とは何か』より

 

この映画では、
オスカル
それを示しているかな
貴族の立場、
親から与えられた性別
これ全て、
他人の指示で
自分というものを失いつつある。

アンドレの強引な導きによって
だんだん自我が目覚めて、自立する。

そして、
一人の女性となって
庶民に溶け込んでいく。

ラストが
また、
昔のフランス映画っぽい
終わり方なんだけど。。。

ベルサイユのばらなんだかな~

もともと
自分もテレビアニメ版しか
見てないし
原作も宝塚も知らない。

どれが、大元なのか
解らないので
そこを見ることにしました。

スポンサーリンク

『ベルサイユのばら』の歴史

 

『ベルサイユのばら』は、
1972年4月から1973年12月まで、
少女マンガ誌「週刊マーガレット」
に連載されました。

1974年8月、
宝塚大劇場(兵庫県)で上演された
宝塚歌劇版「ベルサイユのばら」。
続く11月には東京公演が始まり、
空前の「ベルばら」ブームを巻き起こしました。

そして
日仏合作映画『ベルサイユのばら』は
1979年3月に公開。

日本テレビ系列局で
アニメ「ベルサイユのばら」が
1979年10月から1980年9月まで
全40話で放送しました。

そうか、自分が知っている
アニメ「ベルサイユのばら」は
一番最後に作られたのか。

この系列からすると
実写映画版の前に
やはり
宝塚歌劇版がある。

いったい
宝塚歌劇版はどうなっているのか
それに
テレビアニメ「ベルサイユのばら」も
はるか昔に見て憶えていないので
比較して見ることにしました。

スポンサーリンク

比較:宝塚×アニメ

宝塚歌劇版

2014年の宙組公演
『ベルサイユのばら—オスカル編—』
を見ました。

ベルサイユのばらおお~
しっかりミュージカル
なっているじゃないか

オスカルアンドレ
魅力的感情
衛兵隊との物語もあるし
歌も、歌詞がわかりやすく
心に残るメロディーになっている。
ベルサイユのばら完璧じゃない
でも、驚いたのは
冒頭から
フランス共和国標語
自由 平等 友愛」が出ている
これね~、次回お話しますけど
この時は、まだ誕生していないんだよね~
また、
アンドレが亡くなったら
オスカルが急に敵討かたきちのように
バスティーユ牢獄ろうごくを襲撃する
案を考え出すには
オイオイと思った。
バスティーユ牢獄ろうごく襲撃のシーンを
踊りで表現するには
参ったね!凄いね!
宝塚歌劇版の素晴らしさが
解りましたね。

 

テレビアニメ版

やっぱり
スタッフが凄い人達ですからね
内容がいいに決まってますよ。
チーフディレクター
あしたのジョー」や
エースをねらえ!」の
出崎統さんでしょう。
キャラクターデザイン・作画監督
聖闘士星矢』『キューティーハニー
魔女っ子メグちゃん』の
荒木伸吾さんと姫野美智さん
選曲
ルパン三世シリーズや
松田優作の「探偵物語」の
鈴木清司さんだもん
最強ですよ。

驚いたことに
企画にキティ・フィルムの
山本又一朗さんがいる。

山本又一朗さんは
実写映画版のプロデューサーだった人
キティ・フィルムは
キティミュージックコーポレーションの
邦画の制作プロダクションですね。
うる星やつら』や『めぞん一刻』などで
知られましたね。

やっぱり
ジャック・ドゥミの映画で失敗して
それで
テレビアニメ版が出来たみたいですね。

それを考えると
ジャック・ドゥミの映画が
あれで良かったのかもしれませんね。

アニメ版は
凄いです。

衛兵隊のために自ら撃たれようとする
オスカル
アンドレの生き様
バスティーユ牢獄ろうごく襲撃は
涙なしでは見られません。

アントワネットフェルゼンの末路まで
あります。

後で知って驚いたのですが
原作では
フランスで生まれたオスカル
オーストリアで生まれたアントワネット
スウェーデンで生まれたフェルゼン
共に同じ年の3人が繰り出す物語だったんですね。

さて、
ジャック・ドゥミ以外の
監督で
宝塚歌劇版に匹敵する
ミュージカル
テレビアニメ版みたいな
スケール感が出せる
映画を作れる人
いないかな~
と考えたら

いましたね。

 

ロバート・ワイズ監督が

 

えっ、知らない?

あの
ウェスト・サイド物語
サウンド・オブ・ミュージック
撮った監督ですよ。

ホラーも撮れるし
SF映画も作れる
スター・トレック
劇場第1作もこの人です。

だから
ミュージカルも出来るし
スケール感が出せるので
スペクタクル映画も作れる。

ロバート・ワイズについては
以前、書いた記事がありますから
よかったら見てねベルサイユのばら

アメリカ人だから
下手にフランス魂が出ないしね。

あらすじ

軍人である父親が
男の子を欲しがっていたため、
オスカルは女の子でありながら、
父親に男の子の服を着せられ、
男性として育てられていた。

内心では
女性であることを認めていた
オスカルであったが、
男装して
マリー・アントワネットの護衛という
名誉ある地位を手に入れる。

幼い頃、
オスカルは家政婦の息子である
アンドレに恋をしていた。

そして、数年後、…

Wikipedia》より

ベルサイユのばらData

1979年 日本(東宝) / フランス
監督: ジャック・ドゥミ
原作: 池田理代子
製作: 山本又一朗
音楽: ミシェル・ルグラン
出演: カトリオーナ・マッコール
バリー・ストークス


ベルサイユのばら

ベルサイユのばら予告編

宅配レンタル

 

 

スポンサーリンク
pickup
おすすめの記事