
1980年に南アフリカの映画監督
ジェイミー・ウイスが
制作した映画
『ミラクル・ワールドブッシュマン』は
世界的にヒットし、
その9年後に続編
『ブッシュマン2/コイサンマン』が公開。
この映画で監督のジェイミー・ウイスは
メガホンを置いて
2度と映画を作りませんでした。
ところか…
1990年代初頭に香港と中国で
ニカウさんが出演する
カルチャーギャップ・コメディ“ブッシュマン“
が3本製作されました。
実際には、
香港で、2作品制作
中国で、1作品(中国電影共同製作公司が製作)
なので3本とも単独作品ですが、
他の国では
『ミラクル・ワールドブッシュマン』の原題
『The Gods Must Be Crazy(神は狂っているに違いない) 』からとって
《神は狂っている》シリーズ(計5作品)として
宣伝されました。
アメリカでは、この3本を非公式映画としています。
日本でも、3本どもバラバラに入ってきました。
今回紹介する映画
ミラクルワールド ブッシュマン3 ニカウさん中国へ行く
は
《神は狂っている》シリーズ第5作
「非洲超人=アフリカのスーパーマン」
英題「The Gods Must Be Funny in China
=中国の神様はおかしな人だ」です。
中国で作られた1本です。
前回紹介した
『ブッシュマン4~ホンコン大パニック』
《神は狂っている》シリーズ第4作で
はじめてアジア大陸に上陸したニカウさん。
無事アフリカに帰国したのに
香港からジョンがやって来て
ラーメン屋の助手になってしまいました。
そんな流れで、ニカウさんは
すっかり香港人の
ドル箱になってしまったのです。
今回の映画は
そこからはじまります。
舞台はいきなり中国から
中国で開催される
世界耐久スーパー・マラソンでの
優勝を夢見るインストラクターの
エイミー(チェン・ペイペイ)は、
街で宣伝用のコカコーラの
巨大な瓶をかついで走り去った
ニカウさんを目撃。
ニカウさんは
香港人のチェン(ケント・チェン)
と妹ジェイド(グロリア・イップ)
のドル箱になっていました。
ニカウさんは、もう
都市生活になれています。
しかも、
この映画では中国語を話しています。
(声は吹き替えですが。。)
エイミーはチェンに
賞金が高額だと説得し
ニカウさんを
自分が率いる弱小チームの
一員としてマラソン大会に
出場させることに成功。
ところが_
マラソンの開催者クーは悪玉。
突然パンダが欲しくなってしまった彼は、
パンダ狩りを実行するために
マラソン・レースを開催、
すきを見て珍獣のパンダが生息する地域に
潜り込もうという腹だったのです。
まず、製作が中国だけあって
スケールが大きい!
万里の長城が
このマラソン・レースのスタート地点なんです。
中東チームを手先に、
参加選手をトリックで
コースアウトさせる悪玉クー。
ニカウさんもうっかり崖から落ちてしまいました。
ニカウさんの墓を作って
供養する香港弱小チームのメンバー
ところが
落ちた先にいたのが
パンダのヤンヤン。
ヤンヤンに遊ばれるニカウさん
それを見てヤンヤンを叱る
飼い主のリアン(シンシア・カーン)。
リアンの家で
傷を癒すニカウさん。
そこにはヤンヤンだけでなく
数匹のパンダと一緒に暮らしていました。
食事もパンダと同じテーブルでします。
翌朝には、ダンベルを持ち上げたり
パンダのいろんな芸を見せてもらった
ニカウさん。
そして
彼女のおかげで香港チームとも再会、
ところが、、、
中東チームに変装した
悪玉クー軍団に
パンダのヤンヤンがさらわれた。
悪玉クー軍団に
カンフーで立ち向かうリアン
かなりの達人です。
そして
助けに駆け付けた香港チーム
ところが
悪玉クーの毒矢に
香港チームもリアンもやられます。
その時、ニカウさんは
アフリカであったチーターと再会。
チーターは動物たちに助太刀を頼みます。
虎、犬、猿、熊などが参加
そして、ゾウまで来てくれました。
チーターも3人相手に大活躍
それにつられてニカウさんも反撃
動物さんのお陰で
みんなと再会したニカウさん
世界耐久スーパー・マラソンの
ゴールまで、間に合うのか
最短ルートのミーティング
ところが
懲りない悪玉クー軍団が
不意打ちして
またまた
ヤンヤンがさらわれた。
パンダ追跡劇の終点は
レースのゴールだった。
なりふり構わず追っかける
ニカウさんたち
必死の追跡がこうして
エイミーの香港チームは
みごと優勝し、その先には
逮捕された悪玉クーと
ヤンヤンがいました。
めでたし、めでたし
脇役も伊達じゃない。
ニカウさんやパンダだけじゃない。
この映画の
脇役もしっかり役者を揃えてましたね。
まず
エイミー役の
チェン・ペイペイは
中国上海市出身の役者
あの胡金銓監督の
『大酔侠』の女剣士・金燕子役
を演じた人です。
それ以降
胡金銓監督の武侠映画で活躍し、
「武侠影后(武侠映画の女王)」と呼ばれました。
アン・リー監督の
『グリーン・デスティニー』では
第20回香港電影金像奨最優秀助演女優賞を
受賞しました。
そして
チェン役
ケント・チェンは
『イップ・マン 葉問』(2010)
『イップ・マン 継承』(2016)など
イップ・マン作に多く出演している
香港のベテラン俳優。
さらに映画監督、映画プロデューサーです。
チェンの妹、ジェイド役
グロリア・イップは
日本香港合作映画
『孔雀王』『孔雀王アシュラ伝説』
でアジアの人気女優になりました。
パンダと共に暮らすリアン役
シンシア・カーンは
台湾出身の女優で
ダンサーであり
テコンドーの達人。
「皇家師姐」シリーズ第3弾の
『香港・東京特捜刑事』(1988年)では
仮面ライダーの藤岡弘と共演。
“ブルース・リー生誕60周年記念映画”の
『復活!ドラゴン怒りの鉄拳』(2002年)などにも
出ています。
この映画は、最初から終わりまで中国が舞台でした。
それが、
この《神は狂っている》シリーズの終焉なんだな~と
思いましたね。
Data
1994年 | 中国 |
監督: | 曹建南 |
出演: | ニカウ チェン・ペイペイ ケント・チェン |
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