
『砂漠の冒険』?
いったい誰がこんなタイトルをつけたのでしょう?
しかもキャッチコピーはこうです。
キャッチコピー
この冒険の時代!
わずか8歳の少年と小犬が
やけつく大砂漠を突破
これは友情と勇気に
あふれた感動の物語!
って、オイオイ!!
何言ってるの
この映画の原題は
『Lost in the Desert』
つまり『砂漠で迷う』
または『砂漠の迷子』です。
『冒険』と『迷子』ではえらい違い。
しかも、この映画
1970年代には、小学校の講堂で
”教育映画”として上映!
多くの小学生がショックを受け
トラウマになって記憶に残る
名(迷)作となってしまいました。
私も
この映画の話を何度も聞かされて
仕方なく
この映画を見たら、
ビックリ
これは本物でした!
砂漠の冒険は
実の親子が演じてます
まず、主人公のダーキーと
その父アントンは実の親子が演じています。
父親でピアニストのアントンは
この映画の原作・制作・監督の
ジェイミー・ウィス。
そしてダーキー役はジェイミーの息子で
この映画が俳優デビューの
ウィナンド・ウィス
そう
実の父親が
実の息子に
このような地獄を
味合わせたのです。
映画は、冒頭で
カラハリ砂漠の説明からはじまり
そして
ヨハネスブルクの住宅で
親子がピアノの協奏曲を弾いている
シーンに移ります。
主人公のダーキーは喘息持ちなんですね。
医者から
「肺が弱っているから、都会から離れた方がいい」
と言われ、
叔父のピートが住んでいる
ナミビアへ行くことになります。
叔父のピートが小型飛行機で迎えに来て、
ダーキーと愛犬ロリを乗せナミビアへ旅立ちます。
空撮で小型飛行機とヨハネスブルクを映します。
いかにも空気が悪そうです。
そして
次は広大なカラハリ砂漠を映します。
カラハリ砂漠の面積は、
ボツワナの国土の70%を占めるほか、
ナミビア、南アフリカ共和国にもかかっています。
日本の国土の約1.5倍なんだって
広いね~
映像にも、その広さを存分に映し出し
「愛の夢 第3番」が流れているんです。
この演出!にくいね~
砂漠の冒険はリアルな映画
さあ、いよいよです。
叔父のピートが飛行中なのに心筋梗塞をおこします。
ピートは必死に無線で「メイデイ! 」と言いますが
飛行機は墜落
これ、本当に飛行機を落としましたね。
そうとしか見えません。
そして、
ダーキーがピートの死体を見るシーン
本当にビビッてるんです。

これ~
演じるというより
仕掛けられた感じなんです。
なんせ、
監督のジェイミー・ウィスは
後に、「ファニー・ピープル」という
”どっきりカメラ”映画を撮った人でしたから
仕掛けるのは得意中の得意。
息子のウィナンドも演じるというよりは
何かやらされている感じで
そこに仕掛けがあって
そのリアクションを逃さず撮っている。
だからリアル!
見ている側にも、そのリアルさが伝わるんです。
物語に戻りましょう。
一方、
ヨハネスブルグにいる父に、
飛行機墜落の一報が届きます。
ショックを受ける父アントン
これは、とうぜん芝居です。
ダーキーの乗っていた小型飛行機には、
まだ無線が通じていたので
ウィンドック空港と連絡がとれたのです。
ウィンドック空港に到着した父と
会話が出来て一安心かと思いきや
無線機のバッテリーが少ないのと
思ってた以上に、
飛行機が遠くに落ちていたとみられ
翌日、プレトリアの空軍本部に
応援を要請することになりました。
砂漠の冒険に必要な相棒!
ハイエナ
小型飛行機の機内で
一夜を過ごすようになった
ダーキー
でも、寂しくないんです。
愛犬ロリ以外にも、もう一匹
相棒が現れたからです。
そう、ハイエナです。
ダーキーと愛犬ロリを食べる気満々で
飛行機機内まで入ってきました。
ライフルがあったのでダーキーは撃ちますが
当たりません。
でも、ハイエナは逃げたので
ダーキーは慌てて無線で父に連絡します。
向こうの指示で、
ガソリンをまいて焚火をします。
遠くで見ているハイエナ
そしたら、
ガソリンが流れて飛行機ごと炎上
もう連絡もとれないし、
赤と白で目立っていた飛行機も
真っ黒に
翌朝、
プレトリアの空軍本部から
25機のヘリが救助に向かったが、
ダーキーの目の前を飛び去り
発見されません。
ダーキーは水を求めに
歩き出したのです。
生きるために飲まなきゃ、
食わなきゃ
やっと”川”らしきとこに
着いたダーキーでしたが
もう川の水は
干からびてありません。
ところが愛犬ロリが、
ここ掘れワンで水を
掘り出し飲み始めます。
ダーキーも慌てて水を飲むと
背後からハイエナが現れました。
走って逃げるダーキー、
追うハイエナ
木に登るダーキー
木の下で大人しく待っている
ハイエナ
こんな感じで、だだっ広い砂漠なのに
何故か突然、近くに現れるハイエナ
相当通じ合えるものがあるのでしょう。
それは、さておき
生きるためには
食べ物を探さなくてはなりません。
ダーキーは、
見た目5メートル以上ある
高い木に登り、
大きい鳥の巣から
卵を盗みます。
しかし、
親鳥が戻ってこなくて
良かったですね~
そして、、
その卵を目玉焼きにして
手づかみで食べました。
(相当熱そう。。。)
次に地面の上にある丸い物?
これも割って食べました。
愛犬ロリも口をつけましたが
食べなかったみたいです。
そして今度は
巨大蟻塚
これを石で叩き割って
うじゃウジャいるアリ🐜を
手づかみして(痛がっていました)
口へパクっ🐜🐜🐜🐜🐜
う~、キツそ~
これも愛犬ロリに
食べさせようとしましたが。。。
犬は正直、
本当に嫌がっていました。
最後はダチョウの卵
いや~、食べるのもホント大変!
サディスティック満載!
不幸が不幸を招く
いろんな物を食べさせられた
ウィナンド
今度は愛犬ロリが
主人公を追い詰めます。
まずは、
崖下に水溜まりがあって
ダーキーが水をくもうと
崖を降りたのですが
愛犬ロリが
少し大きい石を蹴とばし
その石が
ダーキーの腕に直撃
ダーキーは崖から落ちて
水溜まりは血の池に。。。。
次に、
ダーキーが
喘息の薬を飲んでいたら
ハイエナが
愛犬ロリに襲いかかり
ダーキーはあわてて鞄にあった物を、
片っ端から投げつけ
なんとか愛犬ロリは助かったが
胴体を噛まれて重傷になり
歩けない状態に。。
さらに、
愛犬ロリに
毒蛇が向かってきて
それを助けたダーキーが、
毒蛇の毒にやられて
左目が酷いことに。。。
これ~、
あまりの激痛に苦しむ
ウィナンドと
その後の目の状態を見ると
ホントにやったんじゃないの?
と思うぐらい。
だって、
この映画が上映されたのは
1969年でしょう。
アメリカでは1968年に
「2001年宇宙の旅」や
「猿の惑星」が公開したので
まだ、
世界的には
特殊技術(メイクも含めて)は広まってないはず。
それを考えるとねー
ダーキーは
片目が見えないせいで
自分では
真っすぐ歩いているつもりなんだけど
グルグル回っている状態になっていた。
(もう、気がおかしくなっている)
そこに、
ダメ押しの🦂サソリが登場。
本物の🦂サソリを足で踏んで
🦂サソリも針でやり返す
この映像は、
まさに本物。
やはり、
今まで全て本当だったという
証拠ですね!
ダーキーは、そのまま倒れます。
いや~、ひどいね~
ブッショマン登場!
そして〇〇のラストへ
倒れたダーキーの足元には
まだ🦂サソリがいます。
空にはハゲタカの群れ
陸にはハイエナが向かっている
まさに、絶体絶命です。
でも
空のハゲタカに気づいた
ブッシュマンが
救けてくれました。
ブッシュマンは
🦂サソリにやられた
ダーキーの足を
火で焼き(本当に焼きやがった)

毒にやられた左目に、
口に含ませた何かをくっつけ
治療しました。
つまり、
このブッシュマンの
伝統的治療法を
見せたいが為に
我が子を、
あんなひどい目に合わせたのかね~
回復したダーキーに
ブッシュマンは肉を与えます。
ところが、
その肉を
愛犬ロリの肉だと思い
ダーキーは
ブッシュマンに
暴言をはき、
石まで投げつけます。
怒ったブッシュマンは
その場を立ち去ります。
愛犬ロリは
子供を産んでいたんですね。
だから、
その場にいなかったんです。
それに気が付いたダーキーは
ブッシュマンに
知らせようとするが
ブッシュマンは
見向きもしません。
そして、ダーキーは
力尽きて倒れてしまいます。
一方、
現地に着いた父アントンは
車で捜索開始!
そこでブッシュマンに会います。
しつけの悪い息子に対して
激怒しているブッシュマン。
父アントンはなんとか説得し
息子ダーキーの所へ
案内してもらいます。
やっと
息子ダーキーと再会した
父アントン。
ところが、
親子ともどもブッシュマンに見放され
砂漠に迷います。
映画はそこで終わります。
「砂漠の冒険」
いかかでした?
さあ、
いかかでしたか?
いや~、
救いようもない内容でしたねー
これを教育映画として上映したんですよ。
信じられない。
さらに
演じるというより
リアクションを撮っていたので
よりリアルに見えましたねー
これは、当時
映画を見慣れていない良い子には
強烈でしたねー
トラウマになるのも無理ないです。
実は、この映画を見て
トラウマになった子供は
日本だけではないんです。
世界的に
映画自体は覚えてないが
その側面だけ非常に鮮明に覚えていたらしく。
そのシーンの不安や恐怖に
悩まされていた子がいたそうです。
まあ、それを考えると
凄い映画なんですねー
なので、驚いたことに
この映画のリメイク版が
インドで製作されてました。
なんと、
そのリメイク版は大ヒット!
この話は長くなるので
次回にして、
主役を演じた
ウィナンド・ウィスは
この映画デビュー作が
最後の作品となりました。
どうやら
南アフリカのオッターズ・デン自然保護区と
野外活動センターを経営していて、
地元の飛行クラブの会長も務めているそうです。
一方、監督の
ジェイミー・ウィスは、
この映画の10年後に
同じカラハリ砂漠を舞台にした
「ミラクル・ワールド ブッシュマン」
を撮って世界的にヒットしましたね。
Data
1969年 | 南アフリカ |
原作 制作 監督: |
ジェイミー・ウイス |
出演: | ウィナンド・ウイス ジェイミー・ウイス |
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