
Éric Rohmer
(1920~2010年)
エリック・ロメールは
大学で文学を学んで
パリの高校で古典文学を教えていました。
1947年に、小説「エリザベス」を発表。
1948年ごろから、映画評論を執筆。
1957~63年まで《カイエ・デュ・シネマ》の編集長を務めます。
そして
1959年に映画「獅子座」を製作し、
映画監督になりました。
彼は、ヌーベル・バーグの
カイエ・デュ・シネマ派の監督です。
この経歴からして、完全なる作家主義!
1963年 モンソーのパン屋の女の子
1963年 シュザンヌの生き方
1967年 コレクションする女
1969年 モード家の一夜
1970年 クレールの膝
1972年 愛の昼下がり
これら6作品をまとめて
「六つの教訓話」シリーズ
1990年 春のソナタ
1992年 冬物語
1996年 夏物語
1998年 恋の秋
の4作品をまとめて
「四季の物語」シリーズ
など
いかにも作家主義
作風は、まるで小説
でも撮り方は
ドキュメンタリー的に自然に撮影し、
役者も演技をしている芝居臭さはない。
そこが、エリック・ロメールの魅力なんですね。
フランス人らしい個人主義で、
言いたいことは、心の中まで語りつくす。
全編ほとんど会話で完結している。
だから見る人にとって苦痛であったり、
快楽であったりする。
正直言って、私は苦痛の方です。
見ていて苦痛でたまらない。
でも、その全編会話の中で、
ちょこっとした言葉が
妙に心に引っかかったりするのも
エリック・ロメールならではの芸ですね。
人生経験の豊富さが映画に反映しています。
映画にする必要性がないものまで
表現しているところも彼らしい。
私が見た《喜劇と格言劇》シリーズは、
6作品もありますが
格言は、映画の冒頭に出て、
本編を見るとなんとなく解るが、
喜劇の方は、どこを笑っていいのか、
全く解らない
一応笑えたのが、
第1作の「飛行士の妻」で
主人公が眠りに入るとこ
第2作の「美しい結婚」で
へんちくりんなテーマソングと
そのテーマソングで踊れたこと
第4作の「緑の光線」で
1人さまよっている主人公が
あまりにも滑稽なこと
特に波にのれないとこは笑えた
この3つだけだった。
もし、それ以外で笑うとこがあるのなら、
この監督は、かなりのひねくれものか
残酷な人なんでしょうね。