
自分と同じ人間が、
この世のどこかでいるはず…
そう考えたこと、
ありませんか?
この映画は、
まさにそれがテーマ
同じ年、同じ日、同じ時刻に
生まれた2人
顔までソックリ
名前も同じベロニカ
でも、
1人はポーランドにいて
もう1人はフランスにいます。
この2人が偶然、、、
いや、
運命的に同じ場所にいて
1人は、それに気づき
もう1人は気づかない。
そして、
そこから2人の運命は
大きく変わっていきます。
これ~
まさに
ドッペルゲンガー
ですね
ドッペルゲンガーとは
自分とソックリの
姿をした分身がいたり、
同じ人物が同時に
別の場所にいたりするもの。
ドッペルゲンガーを扱った
日本映画があります
「ドグラ・マグラ」とか
押井守監督の「赤い眼鏡」が
そうですね。
さて、話を戻します。
ポーランドのベロニカは、
フランスのベロニカを
見てしまいます。
そして心臓が悪くなり
晴れの舞台で心臓発作を起こし
亡くなります。
霊感の強いフランスのベロニカは、
もう1人のベロニカの死によって
異変が起こります。
なんかホラーっぽくなっているけど
この映画の監督は
クシシュトフ・キェシロフスキ
この人の映画は、
繊細な表現で、
見ている人の
心の深~いところまで
鋭く突いてきます。
しかも、
映像は物凄く美しい。
だから、
常に心に残る映画ばかり
私自身も
クシシュトフ・キェシロフスキ監督には
やられっぱなし
いつも彼の作品を見終わった後は
深~いため息が出ました。
そして心の中に刻まれます。
それにしても
この映画は、
あまりにも強烈です。
実は、
私は双子なんです。
だから、
この映画だと
私はポーランドの
ベロニカです。
見ていて言葉が出ません。
ハッキリ言うけど
どっちかが犠牲になる
運命なんかに
身を任せられるか
自分は生まれつきの
心臓病で
母親の腹の中でも
双子の弟の方に
栄養がいっていたので
必死に何かを摂取して
のどを詰らせながら
生まれたけど。
それでも、
ここまで生きてこれたのは
例え無意識であれ
必死に生きてきた証拠
誰だって生きる権利は
あるんだよ。
だから運命のために
犠牲になるとか
ある人のために
犠牲になる必要はない。
ここ近年では、
クローンをつくって
その人の
内臓バンク代わりにさせる
みたいなのがあるけど
選ばれた人間なんて
いやしない。
片方が優れて、
片方が劣る。
それで、
自分は劣っているんだな~
と
自分が嫌になったり
コンプレックスになったり
これ
全て間違え
運命や対比で
左右されるのではなく
自分の意志を
大事にして生きる。
たとえ
自分の身体や他の部分が
他の人と劣っていたとしても
何を言われても
平気な図太い神経と
自分はこう生きるんだ
という意志さえあれば
自ずと自分が磨かれる
そう、
自分はそうやって
生き延びられた。
せっかく生まれただから
たとえ
ツマラナイ世の中だろうと
不遇が続いて辛かろうと
最後まで生き延びてやる。
生きる価値は
そこにあると思うよ。
ついでに言うけど
ポーランドの小さな村。
ベロニカは、
コンサート歌手としてのデビューも決まり、
優しい恋人もいて恵まれた青春を送っていた。
時折襲う胸の痛みだけが気がかりだった。
ある日彼女は連帯のデモと機動隊が
衝突する広場を逃れようとしている
観光バスの中に、
自分とそっくりの女の子を見つけて立ちすくんだ。
《MOVIE WALKER》より
Data
1991年 | ポーランド / フランス |
監督 / 脚本 | クシシュトフ・キェシロフスキ |
出演 | イレーヌ・ジャコブ |
