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森保ジャパン、真の試練。名将ルナールが操るチュニジアを崩す鍵は「戦術的二面性」の克服にあり

森保ジャパン チュニジア スポーツ

近年のサッカー日本代表は、
ドイツやスペイン、ブラジルといった
世界的な強豪国に対して対等以上の戦いを演じ、
歴史的な勝利を収めるまでに成長を遂げている。

欧州最高峰のリーグで
主力を張る選手たちが
個々のタレント力を遺憾なく発揮し、
組織的なプレッシングと
鋭いカウンターで大国をねじ伏せる姿は、
日本サッカーの
確かな進歩を証明するものである。

しかしその一方で、
アジアカップをはじめとする
アジア地域での戦いや、
主導権を握って自ら試合をコントロールすべき
「それ以外の対戦相手」に対しては、
しばしば不可解な停滞と敗戦を繰り返している。

この極端な二面性は、
単なる精神論や油断といった言葉で
片付けられるものではなく、
森保一監督が採用する基本戦術の構造的欠陥、
ピッチ内における戦術的即応力の不足、
そして
選手起用を巡る
マネジメントの硬直性に深く起因している

戦術的敗戦の系譜:2019年カタール戦と2024年アジアカップの深層

森保ジャパンの戦術的課題を考察する上で、
アジアカップにおける敗戦の分析は
極めて重要な意味を持つ。
特に、
2019年大会の決勝における
カタール戦(1-3で敗戦)と、
2024年のカタール開催大会の
準々決勝における
イラン戦(1-2で敗戦)は、
指揮官のマネジメントエラーと
戦術的アプローチの限界が
顕著に表れた象徴的なゲームであった。

2019年アジアカップ決勝:カタール戦における「放任主義」の代償

2019年のアジアカップ決勝において、
日本代表はカタールの可変システムと
緻密な配置戦術に対して終始後手に回り、
前半のうちに決定的なリードを許す結果となった。

この試合における最大の敗因は、
森保監督が
「選手にピッチ内での対応力を身につけさせる」
という目的のもと、
ベンチからの具体的な戦術修正や
ポジショニングの指示をあえて見送った、
あるいは遅らせた点にあると分析される。
ロシア・ワールドカップでのコーチ経験から、
ピッチ上の選手自身が自律的に
状況を打開する能力の必要性を痛感していた指揮官は、
この決勝という大舞台でもそのアプローチを貫いた。

しかし、
組織的な可変戦術を用いるカタールを前に、
具体的なガイドラインを持たない
日本の選手たちは混乱に陥り、
組織的な対応策を講じる前にゲームを破壊されることとなった。
これは、選手個々の判断に過度に依存する
「放任主義」の限界を示す最初の明確な兆候であった。

2024年アジアカップ:イラン戦における複合的戦術エラー

2024年のカタール開催大会において、
準々決勝でイランに逆転負けを喫した一戦は、
2019年大会での教訓が組織的に
アップデートされていなかったことを露呈した。

この試合における敗因は、
相手の執拗なパワープレーに対する無策、
特定の選手への過度な依存、
そしてゲーム展開を無視した選手交代の3点に集約される。

イランは後半に入ると、
日本の弱点であるパワープレーを多用し、
ロングボールを主体とした直線的かつ強烈な攻撃を仕掛けてきた。
イランのロングボールは、
サイドハーフに競らせて
センターフォワードが外側を回る形や、
日本のサイドバックと
センターバックの間に走り込むなど、
極めて組織的かつ巧妙に日本の守備陣の死角を突くものであった。
これに対し、
日本は空中戦の競り合いで劣勢に立たされただけでなく、
その後のセカンドボールを
回収するための組織的なポジショニングが未整備であり、
自陣深くへの釘付けを許した。
さらに深刻であったのは、
センターバックを務めた
板倉滉のコンディション不良に対するベンチの静観である。
板倉は足首の手術明けで試合勘を欠いていただけでなく、
大会中に約2週間続いた下痢により体重が数キログラム減少し、
直前のバーレーン戦では脚を痛めるなど、
満身創痍の状態であった。
イランに狙い撃ちにされ、
前半に警告を受け、
パフォーマンスが明らかに低下していた板倉に対し、
森保監督は町田浩樹や谷口彰悟への交代、
あるいはスリーバックへの移行といった
現実的なディフェンス強化の手を打たなかった。
また、
不安定なパフォーマンスが続いていた
ゴールキーパーの鈴木彩艶を起用し続けたことも、
守備陣全体の安心感と統制を損ねる要因となった。

この状況下で、
ベンチが最初に動いたのは前線の交代であった。
豊富な走力を生かして守備面で多大な貢献をし、
90分間走り切る持久力を備えていた前田大然をベンチに下げ、
負傷明けでコンディションが万全ではない三笘薫を投入した判断は、
さらなるバランス崩壊を招いた。
守備に追われる展開において、
コンディションの悪いアタッカーを投入しても
個の力による打開は期待できず、
あらかじめ設定されていた
「後半20分前後に三笘を投入する」という
プランに盲目的に固執した采配ミスと言わざるを得ない。
結果として、
後半アディショナルタイムに耐え切れなくなった
ディフェンスラインから痛恨のPKを献上し、
逆転負けを喫した。

ヨーロッパ・ブラジル等の強豪国に「勝てる」戦術的メカニズム

日本代表が世界屈指の強豪国に対して
高い競争力を発揮できる理由は、
森保ジャパンが標榜するゲームモデルの本質が
「リアクション(受動性)」に特化しているからである。
強豪国は一般的に、
高いディフェンスラインを設定し、
主体的にボールを保持しながら
能動的にゲームを支配しようとする。

この構図において、
日本のプレッシング強度と、
ボールを奪取した瞬間に前線のタレントが
相手の背後スペースへスプリントする
トランジション(攻守の切り替え)の速さが、
最も効果的に噛み合うこととなる。

格上との対戦では、
自陣にコンパクトな守備ブロックを形成し、
ゲームのペースを相手に委ねることで、
かえって「試合を壊さない力」が発揮される。
相手が攻撃のために全体を押し上げてくるため、
日本が能動的にパスルートを設計しなくとも、
奪い取った瞬間には相手ディフェンスラインの後方に
広大なスペースが自動的に創出されている。
この状況は、
意思決定のプロセスを極めてシンプルにし、
個々のスプリント能力や打開力を
最大限に引き出す要因となっている。

「それ以外」の対戦相手で結果が出ない構造的ボトルネック

一方で、
相手が守備的に構える
アジアの近隣諸国や
格下の対戦相手となった場合、
上記の強みは一転して機能不全に陥る。

相手がボール保持を放棄し、
引いてスペースを消してきた際、
森保ジャパンは
能動的に
相手の守備組織を崩すための
戦術的引き出しをほとんど持ち合わせていない。

第一に、
ボール保持時(ビルドアップ)における
組織的なメカニズムが未整備である点が挙げられる。
相手のファーストライン(前線)をどのように越え、
誰がハーフスペースに侵入し、
どこで数的優位を作るかといった
構造的な約束事が共有されていない。

そのため、
パスルートの選択肢を自ら狭めるような
ロストの危険性が高いパスが連続し、
結果として相手にカウンターの機会を与えることとなる。

久保建英のような特別な個の技術に頼る場面が多く、
組織的なサポート(レイオフや3人目の動きなど)
が連動しないため、
引いた守備を前に外回りの効果の薄いパス回しに
終始する傾向が極めて強い。

第二に、
「観察して対応する」という森保監督の基本姿勢が、
能動性を求められる格下戦においては
「無策」と同義になってしまう点である。
相手が仕掛けてこない状況では、
こちらから仕掛けて相手を動かさなければならないが、
戦術的な拠り所がないため
ピッチ上の選手たちは即興的なプレーに頼らざるを得ず、
時間経過とともに攻撃が停滞していく。

対戦相手の性質に応じた戦術的パターンの比較分析

日本代表が直面している戦術的課題を明確にするため、
対戦相手の格付けや
志向するゲームモデルの違いによって生じる、
日本のパフォーマンスと
戦術的特徴の差異を以下の表にまとめた。

評価項目 強豪国戦(欧州・南米等) 非強豪国・アジア勢戦
相手チームの基本戦術

主体的なポゼッション、ハイライン設定

ローブロック守備、ロングボール、カウンター

日本の基本戦術アプローチ

堅守速攻(リアクション戦術)

主体的なボール保持(能動的崩し)

スペースの発生状況 相手ディフェンスライン裏に自動的に発生

自らパスや配置によって創出する必要がある

日本のボール保持局面

タスクが単純化され、即座に速攻へ移行

遅攻における配置の規則性が欠如

守備時における課題 ブロック内のズレを個の強度で補填可能

パワープレーに対するセカンドボール回収の不全

ベンチの交代策の機能度 スピードスターの投入がカウンターに直結

プランへの固執による強度低下と後手の対応

勝敗の傾向

ジャイアントキリングの達成頻度高

劣勢時の逆転力不足、不条理な取りこぼし

 歓喜のオランダ戦から一転、日本代表を待ち受ける「最大級の不確定要素」

初戦のオランダ戦、
日本代表は2度のリードを許しながらも
追いつく粘り強さを見せ、
がっぷり四つに組み合う戦いで
2-2のドローに持ち込みました。

引いて守る
「戦術カタール(弱者の兵法)」から脱却し、
堂々と世界基準のポゼッションと
強度の高い守備で渡り合った姿は、
チームの進化を証明するものでした。

しかし、
第2戦で対戦するチュニジアは、
全く異なる異様なシチュエーションで
日本を待ち構えています。

初戦でスウェーデンに
1-5と歴史的大敗を喫したチュニジアは、
大会期間中であるにもかかわらず
サブリ・ラムシ監督を即座に電撃解任。
後任に招聘されたのは、
あのサウジアラビアを率いて
前回カタールW杯でアルゼンチンを撃破し、
アフリカ大陸の列強を幾度も制してきた
「白い魔術師」エルヴェ・ルナール監督です。

わずか数日の準備期間とはいえ、
ルナールという男はモチベーションを高め、
規律ある組織的な戦術を短期間で叩き込むカリスマです。

森保一監督も
「スウェーデン戦のチュニジアとは全くの別チームと戦う覚悟が必要」
と警戒を強めていますが、まさにその通り。
情報が極めて少ない
「生まれ変わったチュニジア」を相手に、
日本は受け身にならず戦わなければなりません。

アジアカップの敗因から逆算する、チュニジア戦の戦術的チェックポイント

前回の戦術分析で浮き彫りになった
「それ以外の対戦相手(格下・同格)」
に対する課題は、
今回のチュニジア戦において
以下のような形で牙をむく可能性があります。

① 「持たされる展開」における能動的崩し:久保建英不在の可能性とビルドアップの再構築

ルナール監督は就任にあたり、
「基本に戻ること。規律を守り、一体となって守る」
と明言しています。

チュニジアは本来
「中央の守備が固く、サイドからの攻撃に脆さを見せる」
という特徴を持っています。

日本としては、
中央に無理に縦パスを差し込んで
アジアカップ時のイラン戦のように引っかかり、
危険なショートカウンターを食らう
悪癖(ビルドアップのロスト)を
絶対に避けなければなりません。

さらに、
初戦で創造性あふれる
プレーを見せていた
久保建英が左ひざの負傷を抱え、
出場が危ぶまれています。

久保の「個の打開力」に頼れない今こそ、
組織的なパスルートの構築が求められます。

攻略の鍵は
「サイド経由の遅攻と迅速なハーフスペース攻略」です。

オランダ戦でゴールを決めた好調の中村敬斗や、
キャプテンの堂安律らが、
相手のスライドが追いつかないテンポで
サイドへボールを動かし、
引き出したディフェンスラインの
ギャップ(サイドバックとセンターバックの間)へ、
インサイドハーフやインナーラップする
サイドバックが能動的に侵入できるかどうかが勝負を分けます。

② ルナールが仕込む「死に物狂いのパワープレー・カウンター」対策

「失うものは何もない」と団結するチュニジアは、
非常に高いモチベーションで
死に物狂いでぶつかってくるでしょう。

彼らがシンプルに縦に速いロングボールや、
屈強なフィジカルを活かした
パワープレーを仕掛けてきた場合、
日本はアジアカップの敗因となった
「守備の未整備」を克服しているか試されます。

イラン戦では、
空中戦の競り合いそのものだけでなく、
こぼれたセカンドボールの回収位置が
曖昧だったことで決定機を作られ続けました。

ボランチの遠藤航を怪我で欠いている現状、
中盤でのセカンドボール回収能力が鍵となります。

オランダ戦で冷静極まりない
ゲームコントロールを見せた鎌田大地らが、
ディフェンスラインとコンパクトな陣形を維持し、
組織的に「網」を張ってセカンドボールを狩り取れるかが重要です。

③ 「鬼門・第2戦」を打破する、森保監督の動的マネジメント

日本代表にとって、
W杯のグループステージ第2戦は過去1勝3分3敗と、
数字が示す通りの「鬼門」です。

前回カタールW杯では、
初戦でドイツに歴史的逆転勝利を収めた後、
第2戦コスタリカ戦でメンバーを大幅に入れ替えたものの、
引いた相手を崩せずに自滅に近い形で敗れました。

森保監督にとって、
アジアカップの敗因として指摘された
「交代策の遅れ」や
「コンディション不良の選手への
過度な依存・プランへの固執」を
繰り返すことは許されません。

もし前半にチュニジアの粘り強い守備ブロックに手を焼き、
攻撃が停滞した場合、
ベンチがベンチワークを動かす必要があります。

  • 4バックから3バック(3-4-2-1)へのシステム可変を迅速に行い、幅を広く使って相手を揺さぶる。

  • 相手が消耗する後半、スペースが空いたタイミングで鈴木唯人などの機動力のあるアタッカーを投入し、一気に守備組織を切り裂く。

このように、
ゲームの流れを観察するだけでなく
「能動的にピッチに変化を起こす采配」が、
森保監督には強く求められます。

まとめ:W杯1000試合目のメモリアルマッチ、日本サッカーの成熟を示す時

このチュニジア戦は、
ワールドカップの歴史における
通算1000試合目のメモリアルマッチでもあります。

「格上には滅法強いが、同格・格下の戦術的アプローチに対して脆さを見せる」
というこれまでの森保ジャパンの二面性を、
ワールドカップという最高の舞台で払拭できるでしょうか。

電撃就任したルナール監督率いる
不気味なチュニジアを、
日本が誇る高い組織力と
「アジアカップの痛烈な教訓」
から学んだ戦術的アップデートで、
ねじ伏せることができるか。

オランダ戦のドローを真に無駄にしないためにも、
日本の「能動的なアクション」に大いに期待し、
その行方に注目したいと思います。

ちなみにtotoでは日本勝利に賭けてます。
頼むぞ!日本! ドローはやめて!
負けは、もっとやめて!

必ず勝って!!

 

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